前回からの続き、NINAでオートフォーカスを行う。
結論としては、オートフォーカスは見事に成功した。
前回からの続きで、M65を導入した。
中央にM65、左端にM66が映っている。
これはあくまでもテスト目的であり、M65を撮影するつもりはない。
M天体を導入し、その状態でオートフォーカスを実行するのが目的だ。
その時のガイドカメラの画像だ。
薄雲がなかなか晴れない。
薄雲がなければ、背景は黒くなるが、御覧の通り背景が白い。
この日は透明度が悪い、シーイングも悪い、薄雲ありの最低の天気だった。
話は変わるが、オフアキガイド用の四角い穴がうっすらわかる。
チップ面積の大きいASI174MMならではの画像だ。
しばらく晴れるのを待つ。
その間に、オートフォーカスの設定を確認する。
オートフォーカスを成功させるには、自分の機材にあった最適な設定が必要だ。
こればかりは、デフォルト値でそのままやってもうまく動かない。
マニュアルをよく読み、上記画面の赤枠の設定を行った。
最初の設定は、「オートフォーカス初期オフセットステップ」
意味不明の日本語で、これでは意味がわからない。
マニュアルをよく読むと、
「IN側、OUT側それぞれ撮影測定を何回行うかの回数」
であることが解る。
その次、「オートフォーカスステップサイズ」
これはその通りの意味であり、刻み幅の意味である。
つまり、現在の位置(ほぼフォーカスが合っているものとして)から
OUT側に、200ステップ×10回分=2000ステップ動かす。
そこから、200ステップづつIN側に移動しながら撮影と解析を行う(OUT側の解析)。
更に、200ステップづつIN側に移動しながら撮影と解析を行う(IN側の解析)。
FocusMAXの設定もこのような感じで、UIは異なるが移動量と刻み幅を指定して行う。
NINA独特の制御として、
「バックラッシュ補正方法」を"オーバーシュート"
「バックラッシュIN側/OUT側の値」として、"IN側 60"の設定とした。
動きを見ると、200ステップづつ移動するが、"IN側 60"の設定のため、
260ステップ移動して、60ステップ戻すということをやっている。
フォーカサーFLI-PDFはバックラッシュなしで動作する(と勝手に思っている)
ので正直いってこの設定は意味がないような気もする。
おまじないというわけではないが、おまじないの意味でしかないと思っている。
薄雲も晴れてきたので、オートフォーカスを実行してみた。
この結果では3072がフォーカス位置であり、実際に正しい値である。
素晴らしい、オートフォーカスがバッチり決まった。
FocusMAXとほぼ同じようなグラフだ。
画面が縦長なので縦に長く見えるだけ。
FocusMAXとほぼ同じような範囲と刻み幅でやっているので、この結果は信用できる。
これも、頭の中にはFocusMAXの設定と動きが絶対王者として君臨している。
FocusMAXと同じ動きを再現できたらいいなという思いが強い。
それをNINAは思い通りに再現できたのだ。
APTはその点、正しい設定も必要だが回数と刻み幅という設定ができず、
12回の回数で動くのでそれを踏まえた移動量の設定を行うことが肝要である。
ただし勝手に延長フェーズに入ることもあり、動きが少しだけ違うが結果は正しい。
やっていることは同じだが、FocusMAXに近い設定や動きをするNINAが好みだ。
まあ色々なソフトで比較するのも面白い。
結果としてみると、FocusMAX、APT、NINAそれぞれで正しく動作するのは間違いなく、
いい悪いはない、どれを使ってもよい、あとは好みの問題だ。
オートフォーカス成功時の5秒露光の画像。中央にM65、左にM66。