アンタレス付近の散光星雲を処理しているが、実はフラットは撮っていない。
せっかく鏡筒の蓋にフラットパネルをくっつけたものを使っているが、
怠けていてフラットはまだなのだ(というか例の秘策が念頭にあった)。
それでも画像処理していく中で、ダーク補正のみで進めてきたが例の秘策を、
PixInsight V1.9から搭載された新機能である、MGCが使えるのではないかと。
こいつを使うには、お膳立てが必要。
1.MARSデータをダウンロード
PixInsightにログインしてソフトウエアのダウンロードページにある
ファイルサイズが大きいが、ダウンロードして、
どこかのフォルダ(PixInsight配下のLibraryなどでも)に配置
MGCを起動し、工具マークから、MARSデータを追加しておく
2.GAIA DR3/SPをダウンロード
Script>astrometry>ImageSolver を起動し、GAIA DR3/SPを指定する
なかったらそこからダウンロードして入れる(だったかな?)
ここまでが最初は大変、ここからもお膳立てが続く
3.WBPPでIntegrateした画像を開く(ダークあり、フラットなし)
4.Script>astrometry>ImageSolver を起動しプレートソルブ
プレートソルブした情報を3.の画像に書き込む
5.Process>Photometry>SpectrophotometricFluxCalibration を起動
フィルター情報(ASI6200MCPならデフォルトで可)を合わせて実行
これにより、背景の情報を取得し、MARSデータとの比較に使用する
これも取得した情報を3.の画像に書き込む
6.ここでやっとMGCの出番ですよ
Process>GradientCorrection>MultiscaleGradientCorrectionを起動し実行
上がWBPP直後(フラットなし)、下がMGC実行後の画像
長いお膳立てではあったが、苦労は報われ、こいつが物の見事に決まった。
こりゃフラットいらんわ。
ただし、フラット補正のもとになる情報(MARS)がないとダメなので、
有名どころの参考星雲には向いているかもしれないが、
マイナーなものはダメかもしれんな。ではなくダメなのだ。
それから、こいつは色情報も(全部ではないが)消してしまうという副作用がある。
これが厄介で、色情報を乗せにくい。
ま、今後どのようなアップデートがあるのか?
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