子供の頃は寄生虫を腹の中に飼っていた。
意識して飼っていたわけではなく、奴らが勝手に入り込んでいた。
小学校に上がる前から野山で遊び、草や木の実をそのまま食べていた。
だから寄生虫に感染するのも仕方がない。
野山で遊んできてから原っぱでウンチをしたが、それを父が見ていた。
ウンチの始末をしようと思ったのだろうが、
ウンチに蠢くものを見つけてそいつを草で包んで
おいらともども最寄りの医院に駆け付けた。
医者はそいつを透明なビーカーに移して様子を見ながら
医学書?を広げて寄生虫のイラストをじっくりと眺めていた。
それを横目で見ていたのだが、
イラストには、頭がひれのようになっているものが多く、
ビーカーの中のヤツとは似ていないなと、子供ながらに思っていた。
記憶にあるのはこれだけで、その後どのような処置をしたのかはわからない。
小学校に上がってからは、毎年寄生虫の検査があり、毎回引っかかっていた。
引っかかったのは男女数名いて、薬を渡されて必ず飲めと言われた。
その後は検査もなくなり、ずっと過ごしてきたが、
野山に行くこともなく、もう体内には寄生虫はいないだろうと思っている。
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