老いると感動しなくなる

| コメント(0) | トラックバック(0)

老人になって思うのは、感動しなくなることだ。
美味いものを食べても、旅行に行っても
その場限りでは美味しいと思うし、
見慣れぬ景色はきれいだと思う。

ただ、何度も経験してきていると、
そういったものに慣れてしまって
感動の度合いが低くなってしまうのだ。

だから生きていく張り合いがなくなるし、
無常というか虚無感に付きまとわれる感じがする。

18歳の時一人で初の長野方面へツーリングに出かけたが、
その時が一番強烈でものすごく感動した。
一人で走っていく風景がやけに素晴らしく、
あれ以上のものは感じていない。

これも18歳だったか、白山の室堂で見た
M31アンドロメダ銀河、肉眼そのままで
綺麗に画像処理されたような銀河が広がってそのまま見えた。
宇宙空間をそのまま見ている感じがしてすげーと感動した。
肉眼ではあれ以上のものを見たことがない。

物を買うにしても、若い時は苦労してためたお金で
欲しい物を買おうと計画するが、すぐにポンと買えるわけでもなく、
バイトなど長い年月をかけながら、デザインはあれがいいか、
スペックはこれがいいか、毎日カタログの隅から隅まで目を通して
実際に購入するまでの楽しさもあったし、
買った後も毎日いじったり眺めたり、愛着を持って臨んでいたはず。

今は銀行口座の通帳残高を見るまでもなく、
あの値段なら買えるな、と簡単に考えてしまう。
(それ自体は悪いことではないのだけれども)

今では何を見ても何をしても感動することが少なくなった。
もはや生きる屍みたいなものでしかない。

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://pikachu.ddo.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2309

コメントする

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 7.8.2

このブログ記事について

このページは、ピカチュウが2024年12月26日 08:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「やっぱり呪われている2」です。

次のブログ記事は「準備が先走っている」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。