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2006年3月 9日

 ■ FSQの場合は、

系外銀河攻略の方程式が通用しない。

M101_4.jpg
M101 FSQ + ST2000XCM 20分の1枚画像(DDP処理あり)
これだけ見ると、ぱっと見はよさそうだが、
1.明るめの恒星像の周りが変に色ずれしている。
2.緑とかの原色の星がある。
これを8枚コンポジットすると背景は多少は滑らかになるが、
上記、の1.2.の欠点部分が増幅されてとても見苦しくなる。

FSQ+ST2000XCMの場合は、
1.CCDOPSでL,R,G,Bに分解して各色でコンポジット後LRGB合成
2.ステラ5を使う場合でも、カラーではなくモノクロとしてベイヤーカラー合成
  その後LRGB合成
というように、ひねった画像処理を強いられるのと、それでもまだ不満の残る作品にしかならない。

FRC+ST2000XCMでは何の苦労もなくカラー合成ができる。

この原因が何かをいろいろ考えてみたが、どうやら焦点距離の違いではないかと思うようになってきた。
岡野氏の「冷却CCDカメラによる天体撮影テクニック」では、CCDのピクセルサイズによる
最適なFOVpp(Field of View per pixel)があるということだ。
理論的なことは端折るとして、ST-2000XCM/XMの7.4μサイズでは、
焦点距離740ミリ以上でF値が5.6以下であるのが望ましいとされる。
まあ焦点距離は若干短いが、FSQでも問題はなさそうではある。
(理想的な光学系はε200/210とかR200SSくらいなものかな)

ただし、この理論はモノクロCCDの話であって、カラーCCDの場合はどうやら事情が違うようだ。
カラーCCDは、4ピクセルで1カラー画素となるので、実際のピクセルサイズは
7.4 X 2 = 14.8 ≒ 15 と思ったほうがいいだろう。
15μとして考えると、焦点距離は1500ミリ以上でF値は11以下が望ましいことになる。
FRCの場合は、レデューサーありでもなしでもこの条件を満たしている。
FSQの場合は、焦点距離が短すぎるということになる。

つまり、CCDを基準として考えると、ST-2000XCMの場合は、長焦点反射の光学系を必要とするのではなかろうか。

逆にFSQを主体にして考えると、どう考えてもカラーではなくモノクロCCDがふさわしいということになる。
確かに、過去に天文ガイドでの最優秀に輝いた作品で、FSQ+冷却CCDの組み合わせはあったが、そのどれもがモノクロCCDであった。

今頃気づいても遅かったか、グレーテルさんには申し訳ないことをした。
FSQだったらモノクロCCDを勧めておくべきだったと後悔している。

投稿者 pikachu7500 : 2006年3月 9日 00:01

コメント

えーと、少し違うっす。以下、西はりま天文台のつむらやさん
の受け売りですが、
FOVppの関係は、F5.6「以上」にすべし、です。要するに星像
直径が1画素内に納まってしまうとマズくて、最低限2x2画素に
またがるようにすべし、とのことです。これは黒白CCDでも測光
する場合は重要だそうです。今月の星ナビにもアンダー
サンプリング問題として書かれてたように思います。
同じ一発カラーな一眼デジカメの場合、ローパス(=ハイカット)
フィルタで高解像度成分をカットすることで、アンダー
サンプリング問題を解決してます。

それと、よく誤解されますがベイヤRGBの場合、4画素で1カラー
画素ではありません。ベイヤ補間アルゴリズムで補間します。
(フォビオンは別ですが)フジのやつはハニカム補間と称して
ますが、実は単なる斜め45°ベイヤです。この辺はフリー
ソフトの dcraw の冒頭のマクロを読めばよく分かると思います。
あるいはC言語(のマクロ)が分かり難ければ、画像処理の教科書
なんかにもたいてい載ってると思います。案外ややこしいです。

投稿者 GPE-R200SS : 2006年3月 9日 00:14

全然後悔してないです、ありがとうございます。
確かに傾向は仰る通りで、余計な処理を強いられてます。こう言うものかと思ってました。
今の季節はF8化しておりますが、F5のときより緩和されたので、ご指摘は大まかには合っているようです。

ベイヤ補間アルゴリズムのせいではないんですか?
RGBにて少しでも違う補間がなされると、偽色に
なり得ます。FSQはシャープで、4Pixel/単位内に収まることが多く、この傾向が強く出るのでは?と思ってます。
とすれば、カラー共通の問題になりますが。

いずれにしても腕で、もっと改善されるように思います、私の場合。

投稿者 グレーテル : 2006年3月 9日 07:42

そうなんですか、まあ、素人が無い知恵を絞って考えてもずれている見本みたいなものですね。

カラーCCDの場合は、画素を有効に使おうと補完しているのはわかるのですが、ピクセルサイズは、モノクロCCDのような基準で考えるのではなく、大きく(1.5倍がいいのか?2倍がいいのか?)考える必要性はあると思います。

投稿者 ここの管理人 : 2006年3月 9日 07:43

>FOVppの関係は、F5.6「以上」にすべし、です。要するに星像

これ、GPE-R200SSさんのおっしゃる通りなのですが、
岡野さんとしては、星像直径が1ピクセルというのを目安としています。
んでも、後発の銀色の本では本当は2,3ピクセルといいたいのだけど、そうするとST7EではM27も収まらなくなってしまう・・と、ぼやき(?)が入っていたような気もします。
実際には、やはり星像直径が1ピクセル以下である場合、相対的に星像は甘く感じる気がします。
カメラレンズの冷却CCDカメラの星像が重たく感じるのと同じ理由ですね。
1.5〜2ピクセルにまたがる様にするとDDPの効果もあってかすこぶるシャープに感じる様になり、
同じ同好会で同じくイプシロン200を使い、カメラはBJ-41Lを使っているエリーさんと自分の画像を比べるといやんなっちゃいますよ。
ピンぼけではない(筈)なのに、自分の画像がピンぼけに見える。
くそ〜(笑)
9ミクロン画素だと1200mmくらい欲しいと最近感じています。

投稿者 uto : 2006年3月 9日 12:20

> 9ミクロン画素だと1200mmくらい欲しいと最近感じています。
そうなんですよ、焦点距離の選択ってかなり重要だとやっと思えるようになってきました。

投稿者 ここの管理人 : 2006年3月 9日 22:17

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