Stack処理をPixInsightでやってみたが

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今までは、画像処理の下処理をCCDStackで処理してきた。
これをPixInsightでやってみようという計画だ。

20220822_1.png
まず、これはCCDStackで下処理した画像。
データは、今年撮影のM51、R画像を12枚分を用意し、
マスターダークは、CCDStackで作成したものを用意、
マスターフラット(R)も、CCDStackで作成したものを使用して処理。
(マスターフラットは、ダーク補正(減算)済みである)

フラットもバッチリ決まっていて、素晴らしい画像だ。

20220822_2.png
PixInsightのWBPPで処理する。
データは上に同じ。
マスターダークは上に同じ、本当なら、ダークの元画像を用意したかったが
どうも元画像を消してしまったらしくて見つからない。
(これが後に失敗の原因なるとは思わなかった)

フラット(R)は、元画像の生データを10枚用意した。
(元画像の生データから、PixInsightがマスターフラットを作成してくれる)

20220822_3.png
そして処理したのが、ででん!、この画像だ。
フラットが過剰補正していて真ん中が暗い。
ちゃんとフラット補正しているのはわかるけど、、、。

20220822_4.png
WBPPでは、ダーク補正(減算)とフラット補正(除算)は行っているのだが?

今の気分としては画像処理の下処理はPixInsightでやってみようと思ったが、
いきなりこのざまだ。

WBPPはかなり賢くて、手数は少なくていいし、
衛星とか流星の軌跡も消してくれるし素晴らしいのは素晴らしいのだが
結果がこれでは使えない。

どこかがおかしい。

その後色々調べてみると、ダーク減算を省略すると過剰補正になるとの情報もあり
結果的にはダークの元画像というか生データがないことが原因だった。
原因:ダーク画像がよくない。というかダークの生画像が必要だ。
対応:ダーク画像を作成する必要がある。

PixInsightは内部的に32bit floatでデータを管理している。
CCDStackはfloatでもintegerでもいけるが、
CCDStackではマスターダークやマスターフラットはintegerでデータを作成する。
そのためCCDStackで作成したデータは使えない、というのが今回の真相である。

今は鏡筒も下ろしたし、赤道儀もないし、カメラも外しているのですぐには作れない。
どうしたものか?
急ぐ必要はないのだが、せっかくPixInsightを攻略しようという
気分になっているので水を差すのはやる気をなくすようでよくない。
重い腰を上げてダークを作りに行くかな。

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コメント(7)

 私は、WBPPスクリプトは、まだ使っていないです。
実直にイメージキャリブレーションで、パラメーターを確認しながらやっています。このパラメーターが膨大にありすぎるのが、PIの良いところでもあり、難しいところでもあるのですが。このあたりは個人によってずいぶん考えが違うと、海外の人たちの設定を見ていると思います。
 まだ、各パラメーターの意味が完全に理解できていないので、それらが理解でき、自分のパラメーターが定まったらWBPPに移行したいと予定はしています。
 WBPPスクリプトだと32ビット浮動小数だけに限定されましたか?
個別にプロセッシングする場合は、サンプリングは16bit整数から64bit浮動小数までの枠内で、任意に内部処理が出来ます。
シャノンの定理からすると、16ビット元データの倍のサンプリングで用は足りるので、キャリブレーションは確かに32ビットのままで良いですね。
 イメージインテグレーションやスターアライメントの場合は、データがキャリブレーション後に32ビットになっているので、その倍の64ビットでサンプルしないと、スケーリングや画像の回転をさせた場合に、偽解像、ジャギーやモアレが出てしまいます。
(特に画面を0.5度回転させた場合など)
それで、スタッキングの際は64ビットにアップサンプルさせています。PIは標準として64ビットEXIFデータを推奨しているので、素直にそれに従っています。

n2068ddさん、こんにちは。

> WBPPスクリプトだと32ビット浮動小数だけに限定されましたか?
すみません、浮動小数点は間違いないのですが32だったか64だったかあいまいです。

ブラックボックスなので何をやっているかさっぱりわかりません。JAVAScriptを解析しようと思いましたが何をしているのかさっぱりわかりません。
大まかには、
キャリブレーション
アライメント
インテグレーション
となりますが、最初のキャリブレーションでお手上げでした。

 試しに、私もWBPPやってみました。
 確かに、このスクリプトはデフォルトで、「マスターダークの時間とライトの時間がマッチしていない」とアラートが出ますね。それと「マスターダークにバイアスが含まれていないと良からぬ結果が待ち受ける」と脅してきます。
 でも安心してください。オプティマイズボタンがあって、それを各ファイル有効にすると従来式のマスターバイアス1つ、マスターダーク1つだけでキャリブレーション出来ますよ。
 ダイアグノーティスでは、「ダークの含まれない良からぬデータである。」とアラートが出ますが。
 従来、PIは「マスターダークの時間は気にしなくてもよい。スケーリングして揃えるので。」が、売り物でしたが、近年のCMOSカメラのアンプグローの酷さに懲りたのでしょう。それで、「ダークとライト撮影条件の完全一致」に方針変更したのだと思います。
 そもそもPIだとマスターライブラリーは、最低90フレームが指定ですから、そんな大容量の「生もの」をこのスクリプトに入れるととんでもなく時間がかかってしまいますね。

このスクリプトWBPPの作者の一人のアメリカ人のアダム・ブロック氏が解説をユーチューブに上げているので、これを最初に聞くのが良いかもしれません。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLAzMa9eIVQkDnrwzRCDLYB3JGoJz7tlxF

それと、彼が真ん中が暗くなるキャリブレーション失敗についての解説のビデオもありました。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLAzMa9eIVQkDnrwzRCDLYB3JGoJz7tlxF

n2068ddさん、こんにちは。

Optimizeは、Biasがあれば、時間や温度などが不定でも計算してくれる便利な機能ではありますが、私の場合はすべて同一条件に合わせてますのでOptimizeはなしでやってます。
あと、MasterDark/Flatに使う生データは最低3枚あればよかったかと思います。

なるほど、完全一致なら申し分ないですね。
でも、フラットは、同一条件ですか?
たぶん、ライトフレームと撮影時間が異なると思います。
私の場合は、薄明時のデフューズドフラットだったので、露出時間が数秒のものばかりなんです。
それでうまくマッチしなかったので、リアルスカイフラットにして露出時間を長くしたら成功しました。

先のアダム・ブロックさんが指摘したように、実は、CMOSカメラは露出時間によって内部のデータ処理が異なっているらしいのです。
おそらく相関二重サンプリングをマルチに掛けていると想像しているのですが、そこが撮影日や露出時間で違っているらしいと聞きます。

アダム・ブロック氏の説明は、パート3まであって長いのですが、結論は、

1.フラット用ダークとライト用ダークの二つをWBPPに入れて、露出時間がマッチするダークを選択させる。
2. かつ、撮影日に極力近いフラットダークを取得する。

でした。
僕も知らなかったです。
びっくりです。

PIの説明では、ユアン・コネイロは、90のバイアスと45のダークをいつも使っているので、それがデフォルトらしいのと、「最低でも10フレームが必要」とありました。
彼は、フラットダークは、不必要論者だったのですが、昨今のCMOSの不具合で考え方を変えたような気がします。

海外のCMOS猛者の方々は、超短時間露出+大量フレームでノイズフロアーを下げるという思想になっていて、標準100フレームの人は多いですね。

私は、北海道の天候を考えると撮影チャンスはほとんど無いので、ミディアム露出+なるべく多めのフレームでと考えています。

n2068ddさん、おはようございます。

私の場合、フラットも同一条件です。
Dark/Flat/Lightもすべて同一で、300秒、-10℃、2xbinで完全に同一なのですよ。なのでBiasなしでやってます。

WBPPで、実際に処理してみて、Dark/Flatの生データは最低3枚用意しないとエラーが出ます。エラーメッセージも3枚ないとだめですよ、みたいなエラーがログに出ていました。ただ、実戦的には3枚では話にならないので、できるだけ枚数が多い方がよいというのは実感できます。

Darkの生データは探し出してきました。100枚ありましたので十分実用的です。
ところがFlatの生データは各10枚しかなく、これでやるしかないですが、これはゴミ袋スカイフラットなので天頂付近に向けるので枚数が稼げないので仕方がないかと思ってます。その分、Light枚数をできるだけ多く撮影しないと、とは思っています。

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このブログ記事について

このページは、ピカチュウが2022年8月22日 08:00に書いたブログ記事です。

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